条件を入力
計算の前提(簡略化した点)
標準報酬月額は等級表の中点で丸めた近似値です。所得税・住民税は、賞与も含めた年間の額面をまとめて計算しています(実際は月々の源泉徴収と年末調整、住民税は前年所得への翌年課税です)。住民税は本来翌年課税ですが、このページでは同じ年の手取りとしてまとめて表示しています。配偶者控除は配偶者の所得制限を考慮せず、有無だけで判定しています。詳しい前提は下の解説「計算の前提」にまとめてあります。
定年までの生涯タイムライン
現在の額面年収に毎年の昇給を重ねていくと、額面と手取りの差はどう広がっていくかを見られます。賞与が年収に占める割合・扶養人数・保険料率は、上の入力のまま生涯変わらないという前提で計算します。
額面から手取りへ ― 何が、どれだけ引かれるのか
給与明細に並ぶ「額面」と「手取り」の差は、大きく分けると社会保険料と税金の2種類です。社会保険料は健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険の4つで、月給からはこの4つが、賞与からは健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険が、それぞれ決まった料率で天引きされます。税金は所得税と住民税の2つで、こちらは月給と賞与を合わせた年間の収入から、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除・人的控除(配偶者控除や扶養控除)を差し引いた「課税所得」に対してかかります。
月給300,000円・賞与年600,000円(年2回)、32歳・扶養なしという条件で試算すると、額面年収4,200,000円に対して、社会保険料の年間合計は617,400円、所得税は72,593円、住民税は189,700円になり、手取りは年間3,320,307円(額面の79.1%)という計算になります。内訳のいちばん大きな部分を占めるのは、たいてい厚生年金(年間384,300円)と健康保険(年間210,000円)です。
標準報酬月額という「区切りのよい額」に丸める理由
健康保険と厚生年金の保険料は、実際の月給にそのまま料率をかけるのではなく、「標準報酬月額」という区切りのよい金額に一度丸めてから計算します。これは毎月の給与が残業代などで細かく変動しても、保険料の事務処理を煩雑にしないための仕組みで、全国健康保険協会(協会けんぽ)が公開している等級表にもとづいています。このページでは、隣り合う等級のちょうど中間の金額を境目にして丸めることで、この等級表と同じ結果になるようにしています。厚生年金は健康保険と同じ等級表を使いますが、上限が32等級(標準報酬月額65万円)までしかないため、それより高い月給でも保険料の対象になる金額は65万円で頭打ちになります。
賞与にも上限がある
賞与(ボーナス)の保険料も、実際の支給額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」を使って計算します。ここには2つの上限があります。健康保険・介護保険は1年度あたりの標準賞与額の累計が573万円を超えると、超えたぶんには保険料がかかりません。厚生年金はこれとは別に、1回の支給あたり150万円が上限です。累計ではなく1回ごとの上限なので、同じ年間合計額でも、1回にまとめて支給されるか複数回に分けて支給されるかで、厚生年金の保険料が変わることがあります。雇用保険だけはこうした上限や標準化がなく、実際に支払われた賞与額にそのまま料率をかけます。
所得税は超過累進、住民税はほぼ一律1割
所得税は課税所得が高くなるほど税率が上がる「超過累進課税」で、5%から45%までの7段階に分かれています。加えて、2037年まで復興特別所得税として所得税額の2.1%が上乗せされます。一方、住民税の所得割はどれだけ稼いでも税率はほぼ10%で一定です(自治体によって多少の差があります)。かわりに「調整控除」という、所得税と住民税で控除額の差が生じるぶんを補正する仕組みがあり、多くの人はここで2,500円前後の税額控除を受けています。配偶者控除や扶養控除がある場合は、この調整控除の額も大きくなります。実際、同じ32歳・月給300,000円円・賞与年600,000円のケースで、配偶者と扶養親族(一般)が1人いる場合を試算すると、扶養なしの場合と比べて所得税・住民税の合計が年間109,798円ほど軽くなる計算になります。
生涯で見ると、額面と手取りの差はどう広がるか
25歳で額面年収4,200,000円、そこから昇給率2%で55歳まで昇給し、65歳で定年という前提で生涯を通算すると、額面の合計は約254,070,838円、手取りの合計は約193,273,941円になり、その差はおよそ60,796,897円です。25歳の時点では手取りが額面の79.1%でしたが、昇給を重ねた65歳の時点では75.0%まで下がります。これは、健康保険や厚生年金の保険料が標準報酬月額の上限で頭打ちになる一方、所得税は課税所得が増えるほど税率そのものが上がっていくため、収入が増えるほど「引かれる側」の伸びが「残る側」の伸びを上回りやすいからです。
計算の前提
このページの数字は、いくつかの点を簡略化した目安です。第一に、標準報酬月額は等級表の中点で丸めた近似であり、実際の等級表(協会けんぽが都道府県ごとに公表)と1円単位まで一致するとは限りません。第二に、賞与は年間合計額を支給回数で均等に分けたものとして計算しており、実際の支給額が回によって異なる場合は結果がずれます。第三に、所得税・住民税は月給と賞与を合わせた年間の額面でまとめて計算しており、実際の源泉徴収(月々の天引き)とは配分のタイミングが異なります。
第四に、住民税は本来「前年の所得に対して翌年課税される」税金ですが、このページでは同じ年の手取りとしてまとめて表示する簡略化をしています(生涯タイムラインでも同様です)。第五に、住民税の基礎控除は所得の多寡にかかわらず43万円固定として扱っており、所得税の基礎控除のような高所得者向けの逓減・廃止は考慮していません。第六に、配偶者控除は配偶者の有無だけで判定しており、配偶者自身の年収による所得制限(103万円・150万円などの壁)は考慮していません。第七に、生涯タイムラインでは、賞与が年収に占める割合・扶養人数・保険料率が生涯を通じて変わらないという前提を置いています。第八に、介護保険料は生涯タイムライン上では「40歳になった年」から一律に加算しています。第九に、住民税の非課税限度額(合計所得金額が一定額以下なら住民税がかからない仕組み)は、扶養がいない場合で45万円、扶養がいる場合は「35万円×人数+10万円」に均等割で21万円・所得割で32万円を加えた額として判定しています。この35万円の部分は市区町村の級地区分によって31.5万円や28万円になることがあるため、お住まいの自治体によっては非課税になる境界がずれます。
保険料率(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険)はいずれも初期値であり、年度の制度改正やお住まいの都道府県、加入している健康保険組合によって実際の値は変わります。左の「保険料率を調整する」から、お手元の給与明細や健康保険組合の公表資料に合わせて書き換えることができます。所得税の税率・控除額は国税庁、厚生年金の保険料率・標準報酬月額表は日本年金機構、健康保険・介護保険の保険料率・標準報酬月額表は全国健康保険協会(協会けんぽ)、雇用保険料率は厚生労働省がそれぞれ公表している資料にもとづいています。制度は年度ごとに改正されるため、正確な金額は源泉徴収票・給与明細や、各機関が公表している最新の資料でご確認ください。